医療法人社団 林整形外科医院


脊柱側彎症について


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運動器健診が学校検診に取り入れられたことにより、脊柱側彎症にて来院される学生さんが増えています。脊柱側弯症の中でも、10歳−13歳頃に発症する思春期特発性側弯症がもっともよく見られます。

 脊柱側彎症は年齢が若いほど悪化する可能性が高いので、特に10歳から12歳までで、初潮前の女性の場合、注意深く観察または積極的に保存的治療をする必要があります。
 女性では15歳くらい、男性では17歳くらい以降は悪化する可能性は減ってきます。しかし、全く悪化しないわけではなく、また、例外も存在するので、注意深い経過観察が必要になります。
 この段階での側彎症の保存的治療(手術しない治療)の基本はコルセットです。コルセットにもいろいろな種類がありますが、最近の大規模調査でもきちんとしたコルセットの治療のみが側彎症の保存的治療に効果があることが証明されています。以前は体操とか、電気刺激とか、いろいろ行われましたが、証明できるほどの効果はありませんでした。
 
 コルセットは側彎の角度が20度を超えたあたりから使用すべきとされていますが、結構うっとうしいといえるもので、かなりの忍耐がいることは確かです。しかし、それをがんばることが側彎症の悪化を防ぎます。

 18歳を越えた辺りからは悪化する速度は遅くなるので、かつては保存的治療は18歳くらいで終わりとされていました。しかし、完全に安心して良いと言うものでもなく、まれに悪化する場合もあるので、最近の意見では成人になっても側彎症の保存的治療をしていた患者様の場合、数年に1回はレントゲンをとって悪化していないかどうか確認すべきとされています。
 
 思春期側彎症、あるいはそのまま成人になって、思春期側彎の遺残といわれる側彎の場合、側彎の角度が45度から50度を超えてくると手術を考慮すべき事態となります。当院でも70°程度までは手術が可能ですが、それ以上の場合は、しかるべき病院に紹介します。