医療法人社団 林整形外科医院

腰部脊柱管狭窄症の分類について

以下は当院院長が提案している腰部脊柱管狭窄症の分類案です。

                                                               


病因分類(Ver.6) 

タイプ1   腰椎立位の単純レントゲンで、骨棘の形成、椎間板変性など、腰椎変性性の変化以外特に異常を認めないもの
 a  主として椎間関節および黄色靱帯の肥厚によるもの
 b  椎間板ヘルニアを合併するもの
 c OYL、あるいはOPLLによるもの
 d   発育性
タイプ2   腰椎立位の単純レントゲンで、すべり症、側彎症、後彎症、圧
迫骨折などの明らかな脊柱変形または異常を認めるもの
 a  腰椎すべり症によるもの
  1 変性すべりによるもの
  2 分離すべりによるもの
 b   変性側彎が見られるもの
  1 変性側彎のみ
  2 側方すべりを合併するもの
 c 後彎症を合併する物
  1 後彎部と脊柱管狭窄部が一致するもの
  2 後彎部と脊柱管狭窄部が一致しないもの
 d  腰椎の骨折による狭窄
タイプ3 その他
 a  腰椎手術後の狭窄
  1 椎弓切除、椎弓形成術後の狭窄
  2 固定術後の隣接椎間の狭窄
  3 椎間板手術後の狭窄 
 b その他   Paget 病 フッ素症など

 必要な場合、単椎間の狭窄はS, 多椎間の狭窄はMを付記する.
 
(注)この分類は病因分類であり、部位別分類を含まない.
   2つの病態が併存する場合はそれぞれを併記し、+でつなぐ.(たとえば変性すべりに後弯が合併している場合2a+ 2c.2と表記する.)
   同一椎間に2つの病態が併存する場合、主たるもののあとに括弧をつけて表記する
   (例えば変性すべり症の同一椎間に椎間板ヘルニアがある場合2a.1(+1b))
   単椎間を示すS、は単椎間であることを強調したいときだけ使用する.
   治療に影響しない側彎が狭窄部位と離れたレベルにある場合、2bを加えない.
     2c.2の後弯とは下位胸椎を含む.



ステージ分類(Ver.4)

ステージ 1:a 画像診断上脊柱管狭窄症はあるが、投薬、物理療法、コルセットなどに
        て保存的に神経症状が改善するもの。
       b:投薬、物理療法など、非侵襲的な保存的治療で神経症状は改善するも
        のの、2ヶ月以上経過しても投薬をやめると症状が再燃し、継続的に投
        薬が必要なもの。
       非侵襲的な保存的治療で症状があまり改善しないがそれ以上の治療を希
       望しないものもここに含める。 
 
ステージ 2:神経症状の改善に硬膜外ブロック、あるいは神経根ブロックを要するもの。           
ステージ 3:画像所見に一致した神経症状があり、しかも硬膜外ブロック、神経根ブロッ
         クなど含むあらゆる保存的治療にても症状が十分軽快しないが、ADLの障害
          は少なく、患者が容認できる範囲のもの。
      再評価の結果、ステージ4ではないと判定されたものもここに含める。

ステージ 4:画像所見に一致した高度の神経症状があり、かつ
      a:1ヶ月以上の保存的治療でも下記のどれかを有するか、あるいは一時的に軽快しても
        再発を繰り返すもの。
       1  500m以下の間歇跛行 
       2  我慢しづらい強い下肢痛
       3 腰部脊柱管狭窄が原因の直腸膀胱障害 
       4 MMT 4以下の筋力低下
      b: 脊髄造影で完全ブロックのもの